インプレのマニュアル

Twitterに寄稿したものを加筆修正しました。
全体はかなりの長文になりますので目次で好きな場所に飛びながらつまみ食い程度に見て頂くのがオススメです。

PCからお越しの方はサイドバー追従の目次、スマホからお越しの方は最上段へ戻るフローティングボタンをご活用下さい。

序論

Twitterは1スレ140文字という制約があり、インプレを上手くまとめる為には独自に用いる用語に頼らざるを得ず、読者の理解の妨げになってしまっていた事も否めませんでした。

そこで登場する独特な用語および意図を解説し独自に定義しました。

インプレに登場する用語は他の方のレビュー等に同じ言葉で登場することがあるかもしれませんが、その意図や意味は全く別物となる危険性がございます。

あくまでCNはこう定義しているが、オーディオ界隈全体から見たらかけ離れた価値観かもしれないという見方で見てください。

良い音とは

オーディオ趣味の目的の一つに「良い」音を追求することがあると思います。

この良い音は人それぞれであり絶対的ではありません。

私にとっての良い音は貴方にとっては良い音ではない可能性があります。
そこはまず最初に伝えたい所です。

私の考える良い音は様々ですが、根本は

  1. 音データに対して正確であること
  2. 無駄な着色が無いこと

の二つを満たすものです。

そしてRME ADI-2/4 Pro SE→STAX SRM-T8000→SR-X9000のシステムが現在の所持している機材中、最も「良い」音だと考えています。

オーディオに絶対的な基準は当然ございません。上記システムより遥かに音質が良いとされるシステムの可能性も理解しています。

一方で批評の為には絶対的な価値基準が必要であることもご理解下さい。

私の中での絶対的基準が上記のシステムで固定されている以上、そこから逸脱した音に対しては例え世間で高評価となっていても、低評価を与えてしまう可能性があります。

好き嫌い

私のインプレは「良い」音かどうかは別として「好み」が評価に露骨に反映されたものとなっています。過去のインプレを分析してみると、

世間的に癖が無い或いは少ないとされる機種や
9〜10kHzの高音域に鋭いピークがある機種

を好む傾向にあります。

例を挙げると、メーカーではETYMOTIC,水月雨,TANCHJIM,SENNHEISER等の音作りは好みであり、高評価となる傾向があります。

一方で極端な音作りだと感じるJH Audio,Empire Ears,VISION EARS,Noble Audio,Rhapsodio等は低く評価する傾向にあります。

また周波数特性的な観点では、6kHzと8kHzにピークのあるものは私にとって刺さりとして認識され不快に感じます。まとめると、

低音量や高音量が多過ぎる機種
6kHz,8kHzのピークが目立つ機種

は嫌いになります。

音の傾向について

ここで言及する傾向とは所謂ドンシャリとかフラットとかそうした周波数特性的な傾向です。

周波数特性は料理の味付けのようなイメージで捉えています。
味の好みは人それぞれなように、周波数特性も優劣等は無く個人の好みの問題と考えています。

一般的に全音域に渡って一様に聴こえる傾向を”フラット”、
低音域と高音域を強調した傾向を”ドンシャリ”
中音域を中心に盛り上げた傾向を”カマボコ”

と表現されますが、この線引きについては多いに主観的要素を含む大雑把なものです。

耳は舌と同じように慣れという概念があるので、普段からドンシャリ傾向の機種を好んで聴く方はそれが”フラット”だと感じるかもしれません。

私も例外では無く、この慣れによる認識のズレが顕著に現れるのが試聴インプレです。
直前に聴いた機種が基準となるからです。

その為試聴インプレの傾向は大概アテにならず不正確な情報となることが多いです。

フラットについて

個人やメーカーによって”フラット”の定義が異なる事が議論を難解にしていますが、クリアカットに問題を捉える為に、一旦補正カーブ等を抜きにして

周波数特性の測定上限りなく水平に近いneutral flat

を個人的な「フラット」と定義しています。

これを機材として例を挙げますと、

イヤホンではUltimate Ears Reference Remastered
ヘッドホンではShure SRH1840
スピーカーではNeumann KH80DSP

を最もフラットな特性を持つ機種と定め、所持機のインプレでは独自に測定した周波数特性グラフも併せて参照し比較によって傾向を言及するよう努めています。

※補正カーブ

スピーカーには部屋の反響
ヘッドホンには耳介の反射
イヤホンには外耳道の長さによる共振ピーク があります

これらの要素のため同一に見える周波数特性でも音が違うと反論があるのも理解しています。

だからこそ補正カーブ等が存在するわけですが、そのようなフラットの厳密さを言及すると、それだけで議論が複雑化し収束しません。

フラットの厳密な定義は私の出る幕は無く、音響学者やメーカーの仕事であると考えています。

Harman Target Curveについて

Sean Olive氏によって提言された曲線で “The Relationship between Perceptions and Measurement of Headphone Sound Quality”という論文でその経緯が言及されたと個人的には理解しています。

およその内容としては

「理想的な室内,理想的なスピーカーの鳴り方をヘッドホンで再現するという前提条件の元、二重盲検比較試験の末、訓練された耳の肥えた方にとって最も好ましいとされる周波数特性を検討した結果がHarman Target Curveである」

とのことです。ここで私が声を大にして主張したい事は

Harman Taget Curveは統計学的に割り出した最も大衆的に好まれやすい特性であって、必ずしも貴方にとっては好ましい特性になるとは限らない ということです。

そして同様の主張をHarman Target Curveを提唱したSean Olive氏自身がされている事は重要に思います。

Harman Target Curveの特性に類似した機種はいずれも音の見通しが良く聴こえる一方で、ドライバの質や粗さも見え易い諸刃の剣的な面を持った特性と感じます。

例を挙げるとKZ ZEX Pro や 水月雨 Chuはドライバの粗が目立ち、全く良い機種とは思えませんでした。

一方でTHIEAUDIO Monarch Mk2 や DCA Stealth はHarman Target Curveの特徴や魅力が詰まっておりリファレンスとしている機種でもあります。

良好な測定値や特性は「良い音」か

先の「良い音」の定義に戻りますが、

“音データに対して正確であることと無駄な着色が無いこと=測定値や特性が優れていること”

と捉えがちですが、それはある意味真であり、偽でもあると考えています。
測定値や特性はその要素の一部でしか捉えていないからです。

例えば測定値として有名なS/N比で考えると、目の前にAとBという二つのアンプがあったとして、この二つは同様な性能を持つがS/N比だけ大きな違いがあるとします。
その場合S/N比が優れている方が良いアンプであると思います。

しかし現実ではそんな二つのアンプが存在するわけではありません。
往々にして音の傾向だったり出力だったり様々な違いがあります。

そして測定値は当然、科学的に測定出来るごく一部の要素でしか捉えていません。

音質を科学的に定量化するというアプローチは大切に思いますが、一方で音質と人の感性を全て科学的に分析し数値として定量化出来るという考えは非常に危険です。

Harman Target Curveでも同様であり、Harman Target Curveに類似した特性の機種が最も優れた機種であるとは思えません。

Harman Target Curveは統計的に耳の肥えた人にとっては最も好まれやすい特性の筈なので、市場的にはHarman Target Curveに類似すればするほど売れる機種の筈です。

しかし現実はどうでしょうか?

私は「Harman Target Curveなら市場で失敗しにくい」という保守的な傾向が、メーカー自体の個性を消失させ、音を均一化してしまうのではないかという危機感を抱いています。
残念ながら低価格帯から高価格帯機種に至るまでその流れが来てしまっているようにも感じます。

ここでTIMEDOMAIN様のページ
“「音楽再生のためのオーディオ技術」を考える:技術と理論― TIMEDOMAIN (心のオーディオ ~自然な音のスピーカー )”
を掲載したいと思います。是非多くの方に見て頂きたい素晴らしい記事です。

今から約40年も前に既に同様な議論がなされていたことは驚きですし、40年経っても測定値主義思想が足枷となり、それ以上の議論に進まないオーディオ業界の進歩の無さは残念ではあります。

寒色系と暖色系

経験上、高音寄りの音を寒色系、低音寄りの音を暖色系と表現されることが多いように思います。
しかし私の中では上手く定義および説明することが出来ないため可能な限り使用したくない表現です。

例えばWESTONEは暖色系でSHUREは寒色系と評されることが多いですが、その差はどこにあるのでしょうか?

私には上手く説明できません。強いて言えば上のように評されることが多い風潮みたいなものはあるかなと思います。

基本性能とは

極論になりますが、百均イヤホンと10万円を超える価格帯のイヤホンが目の前にあるとします。

その明確な差は何か?と問われた時の私の答えが基本性能です。

基本性能は私の「良い音」の定義に則り正確かつ着色が無い表現の為必要とされる性能です。

基本性能は

  1. 解像度
  2. 分解能
  3. 音場感

の上記3要素をパラメータとして、その総合成績という形で言及しています。

他に追加できる要素もあるのですが、私の文章力ではこれ以上パラメータを増やしても煩雑となり、却って質の低い批評になると感じます。
またこの3要素で説明不足と感じる場面も少なく、現状では必要十分と考えています。

話を戻しますが、百均イヤホンとハイエンドイヤホンにはその求められる基本性能が異なります。

当然価格帯が上がる程要求されるレベルは高くなります。

私が思う価格帯で優れた基本性能を持つ機種は、固定ツイートの⭐︎が付いた機種をご参照ください。
それらをリファレンスと判断しています。

解像度とは

音の輪郭を正確かつ詳細に描写出来る性能を指します。

これは映像や写真における解像度と意味合いはほぼ同一です。

解像度は一場面における音の輪郭描写の正確さ以外に、映像のFPSに当たる時間応答の細かさや追従性も関連していると考えますが、Twitter上では別個に言及する余裕がありませんでした。

この辺りの問題点についてはブログ化によって多少改善されるかもしれません。

解像感との違い

解像度に似た言葉として解像感があります。

解像感は映像における彩度のイメージで、周波数特性的傾向と関係します。

ドンシャリ型の機種は音楽のメリハリが生まれやすく、解像度が良いと錯覚させますが、それが解像感であり、本来の解像度とは切り離して考えるべきだと思います。

解像度が高い機種は聴き疲れするという議論が度々起こりますが、これも解像度と解像感を混同した結果だと考えます。

目が疲れるのは解像度の高い映像では無く、彩度の高い映像を見続けた場合です。

一般的にドンシャリ型の機種で聴き疲れはあっても、フラットな機種では聴き疲れは少ない筈です。

分解能とは

音楽に散りばめられた複数の音の要素をそれぞれ判別する性能を指します。

白黒映像とフルカラー映像と比較してみると、解像度は同一でもフルカラーの方がその構成要素は判別しやすい筈です。

一般的に解像度が高い機種は分解能も高くなる傾向にありますが、例外もあります。

SONY MDR-EX800ST は分解能よりも解像度の高さが目立つ機種、一方STAX SRS-002 は解像度よりも分解能の高さが目立つ機種に思います。

またマルチBA機はドライバの数が多くなればなるほど分解能が高くなるような感覚があります。

また分解能は先の周波数特性的な解像感やこの後に言及する音場感も影響し、感覚的な要素が強い項目とも感じています。

音場感とは

音空間の再現度を指します。

音の広さ、立体感、定位、音像の距離感、残響の表現力等の要素で評価しています。
定位は音の左右の角度や方向性と距離感の正確性を見ています。

音像の距離感はぼーっと音を聴いた時に受ける全体的な音の近さを見ています。
音を映像化した時にそのスクリーンがどの近さにあるかというイメージです。

近過ぎるものは窮屈に感じますし、遠過ぎるものは散漫に感じます。

その適切な距離感は好みの問題でもあります。個人の嗜好でいうと音像は遠目の方が良い印象を抱きやすい傾向にあります。

音像定位の距離感は左右の定位の正確性とトレードオフの関係にもあり、一般的に左右定位が正確なものは音像定位は近く、左右定位が散漫なものは音像は遠目に感じられやすい印象があります。

さらにイヤピースやケーブルのシングルエンド接続か、バランス接続かといったセッティングの影響も受けます。理由としては

前者はイヤピースの軸が短い程、ドライバと鼓膜の距離が短くなるから
後者はバランス接続によってケーブルのクロストークが減るから

と考えています。

低音域について

まず申し上げたいのは低音域,中音域,高音域といった音域の認識は人それぞれで一般的かつ明確な基準や定義が無いということです。

私が低音域と感じている領域は人によっては中音域だと感じるかもしれません。

私の場合、低音は0〜約440Hzまでの領域としています。

これは440Hzが私が好んで聴くEDMにおけるベースの中心音がだいたいこの音域までに収まるということ、および440Hzがベースギターの中心軸となっていて馴染みの深い音の高さだからです。

低音域をさらに音楽的な構成要素に分解すると
0〜60Hz付近:サブベース
60〜120Hz付近:キック
120〜440Hz付近:ミッドベース

が存在する領域となりますが、このうちキーポイントとしている音域が60Hzと200Hzです。

60Hzはハムノイズの周波数ともされブーンといった地鳴りのように聴こえる音域でもありますが、ここ以下が周波数特性上カットされているか盛っているかで大きく音楽の印象が変わります。
程度にも因りますが、盛られた機種の方がローエンドの深みがあると評し好みの事が多いです。

200Hzはキックとベースの音域が重なり飽和しやすい箇所で音の籠りとともに、音の力強さや押し出し感に関係している音域と感じます。
好みの分析は難しいですが、どちらかと言えばこの音域がカットされている方が好みと評することが多いように感じます。

低音域は上記の周波数特性的な好みの他にその全体的な量感と制動性、音圧感も加えて評価しています。

制動性はキックの音を中心に、DTM用語であるADSRのA:AttackおよびR:Release時間を用いて主観的に評価します。

いずれも時間が短い程好意的な評価になります。

音圧感について

上手く言葉で言い表すことが難しい部分です。

一般的に「音の厚み」という言葉で言い換えられる項目のような気がします。

大口径ドライバを搭載したダイナミック型イヤホンやヘッドホン特有の鼓膜が揺れるようなズッシリとした低音はいかなるマルチBA型の機種でも再現が難しいでしょう。

一方ハイエンドな価格帯に多いマルチBAの物量のある中音域はシングルドライバのダイナミック型イヤホンではやはり再現が難しく思います。

周波数特性にも現れない、この差こそ音圧感であると捉えています。

中音域について

440Hz〜4kHzまでの領域としています。

この音域の評価基準としては艶やかさ、滑らかさ、ザラつきといった質感、声の張り出し等が挙げられますが、いずれも曖昧です。

どちらかと言えば嗜好性が反映された項目で、同時に機種の性格を位置づける項目にも思います。

中音域の表現で上手いと思えるメーカーは水月雨とTANCHJIMです。
そしてこの事がインプレで評価が高くなる傾向に関係していると思います。

高音域について

4kHz以上の領域としています。

私にとって4kHz以上は音が刺さる感覚がある音域で、特に重視しているのが、
①6kHz ②8kHz ③10kHz の3つです。

6kHzは私が最も嫌悪している音域でボーカルにおけるサ行の刺さりとして認識しています。
ここに鋭いピークのあるSONY MDR-EX800ST 等は非常に苦手な機種です。

しかし興味深い事に、この音域のピーク感はロックやメタルといったジャンルの荒々しさと良くマッチしており、ノリや勢い、メリハリをつけやすい音域でもあると感じています。

8kHzは6kHzに次いで嫌悪している音域でボーカルにおけるタ行の刺さりとして認識しています。

ここに鋭いピークのあるAudio-Technica ATH-E70 はやはり苦手な機種です。

10kHzはシンバルといった金属楽器等の刺さる音域と認識していますが、不思議と私にはあまり不快に感じません。 

逆に10kHzのピークは高音域の伸びがあると感じ、好意的に評することが多いです。

SENNHEISER IE 100 PRO は周波数特性的にはかなり大きめの9-10kHzのピークがある機種で、世間では高音域の刺さりがある機種ともされますが、私にとっては大きな不快に感じません。

高音域は人それぞれの刺さる音域の違いによって大きく評価が分かれる部分に思います。

なお12kHz以上から認識が難しくなり、15kHz以上は私が完全に認識できない音域となるため、10kHz以上の音域については言及を避けています。

高音域はこのような刺さる音域に加えて、金属的質感描写の上手さや抜けの良さといった曖昧な表現も交えて評価しています。

測定値と感覚のズレ

周波数特性の測定に詳しい方が見ると上記の項目はアレ?と思うかもしれません。

高音域のピーク周波数は測定の仕方や測定カプラの特性によっても大きく変化する部分であり、必ずしも測定データ通りの結果にならない事が多々ある所は注意をしなければならない部分です。

敢えて名前を出しませんが、某C氏の周波数特性データでは8kHzに多くピークが存在します。
一方私の測定では10kHzにピークが存在することが多いです。

上記の如く、往々にして8-10kHzにおけるピークは測定データがアテにならないため、楽曲分析による手法でピーク周波数を評価しています。

スペクトラムアナライザによる分析で得た、それぞれ6kHz、8kHz、10kHz のピーク成分を多く含む楽曲を厳選し、それらを機器を通した聴感上で判断するようにしています。

音域毎の嗜好性

ここまで見れば明らかな通り、低音域、中音域、高音域の中で最も重要視しているのが低音域で、私のインプレの評価は低音域の質で約2-3割が決まります。

次いで重要なのが高音域ですが、その質感よりも刺さりが無いかどうかを重視しています。

音楽ジャンルの嗜好性

私の良く聴く音楽ジャンルとの関連性も重要な要素であると思います。

嗜好性で言うと、第一にリズム隊がいるかどうかで大きく変わります。

一般的にリズム隊が無い、或いは不明瞭な「クラシック」や「アンビエント」といったジャンルはあまり聴きません。

一方四つ打ちといったキックが明瞭かつテンポの合わせやすいリズムを採用したジャンルは好みになり、BPMでは120-140辺りに集中した音楽を良く聴きます。

ジャンルで言うと「ハウス」「トランス」「テクノ」に当たります。

BPMが140を超える曲になるとリズムを追い切るのが難しくなり、あまり聴きません。
例外としてBPMが160辺りに集中している「ドラムンベース」は良く聴きますが、「ハードコア」や「ガバ」といったジャンルはあまり聴きません。

「ロック」も良く聴きますが、ツーバスやダブルタイムが一般的な「ヘビィメタル」はリズムを追い切るのが難しいからか、あまり聴きません。

比較対象機種の選定

モノの評価を行う為には比較対象を定めなければならないというのが、インプレを書く時の根底の考えです。

「A」が良いか悪いかは対立する「B」との比較で初めて分かります。

所持機のインプレにおける比較対象は、基本性能の近しいもの、音傾向の近いもの、界隈上で話題となっているものから大体は選定しています。

本当は全てのインプレに比較対象機種を明記するのが望ましいと考えていますが、全く実現できていないのはお詫びを申し上げなければならない部分です。

特に試聴インプレでは比較対象機種の明記が抜けてしまうことが大半ですが、だいたいは所持機リストのリファレンス機種を基準として比較し評価しています。

ブログ化に伴いこの問題点を修正出来れば良いですね。

インプレの流れ

音の傾向→基本性能→各音域→音場感→装着感等→比較→備考→総評 というテンプレートに沿っています。

1スレ目では音の傾向と基本性能、簡単な特徴を纏めることで、どんな傾向で価格的にどのような立ち位置でどんな特徴を持っているかシンプルに理解出来るよう努めています。

1スレ目で興味を持って頂けた方に各音域や音場感といった各論に目を通して頂き、最後に私なりの機種への感想として総評でまとめるという流れになっています。

かれこれインプレの投稿回数は百件を超えると思いますが、Twitterの性質上、この流れが私にとっては最適化されていると感じています。

ブログでは更にTwitter上で言及できなかった、視聴環境等も付記出来れば良いと考えています。

総論

振り返ってみると、このマニュアルの表向きの理由としては用語や意図を伝えたいことにありますが、内実は私の考える定義や基準を自分なりに分析し再確認することと、インプレに対する一定の責任を取るためということが挙げられます。

聴覚からの情報が大半を占めるオーディオにおいて、言葉だけのレビューから得る情報はかなり限られていますし、不正確です。

よってレビューを信用、信頼するのは馬鹿げているとも思います。
しかし一方で試聴する機会に恵まれずレビューに縋らざるを得ない機種が存在することも確かです。

自分にとって為にならないレビューを繰り返しているレビュワーでも、それは「為にならない」という信頼があるから情報を取捨選択出来るわけです。

レビューから受け取る情報の質は言葉の意味を超え、レビューの読者とレビュワーとの無意識の信頼が自然と生まれていると考えます。

自分自身への評価軸や定義を決めることで、そうした無意識の信頼に応えることが少しでも出来たらいいなという淡い期待やエゴを抱きつつ結びの言葉とします。

コメント

タイトルとURLをコピーしました