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概要
ドンシャリ
実売価格170kを想定しての評価。
基本性能は悪い。解像度,分解能,音場感いずれも価格を考えると不満。
中音域の中でも女性ボーカル域にピンポイントで凹みがあるのが特徴で、ジャンル毎の得手不得手が明瞭。
女性ボーカルを中心軸とした曲構成に対しては苦手としているが、ロックのような激しい曲は得意とする。
項目評価
低音域はまずまず。量感は普通からやや多め。アタック,リリースともに遅め。正直あまり見所が無い。
中音域は悪い。2-3kHzにかけての特定のdipがあるせいか、女性ボーカルは奥に引っ込み、しかもくぐもっている。
しかしその部分以外は前に張り出すような感じがあり、男性ボーカルは不思議と気にならない。
中音域はこの機種の最も特徴的でユニークな部分。
高音域は悪い。6kHz付近のピーク感があり、サ行の刺さりが気になる。
金属的な表現に関しては野太く、荒々しさがあるが、そこが良さと感じる方もいるかもしれない。
音場感はやや悪い。
音場は狭めかつ音像定位は近めで窮屈さがある。左右定位の精確さはまずまず。
総評
昨今流行りの3kHz周辺に緩やかなピークを持っていくスタイルから対立するかのような反逆的なチューニング。
このイヤホンで聴く女性バンド曲はボーカルが抜け落ち、女性ボーカルを含むHOUSEではリズム隊が目立つようになる。
あまり見かけ無いチューニングのため多くの方は面食らうかもしれない。
個人的には類似したチューニングの機種としてSIMGOT EK3が想起される。
「花たん好みのチューニングで、ヴォーカルの聴きやすさとベースラインの存在感を両立させた特別仕様」とあるが、決して”女性”ヴォーカルが聴きやすいチューニングとは思わなかった。
花たん氏の可愛らしく力強い歌声に焦点を当てたというより、あくまで花たん氏”が”聴く音楽に焦点を合わせたチューニングであると推察される。
花たん氏の普段良く聴く音楽が垣間見えるような感もある。
個人的な好みで言えば、極めて嫌いな部類のイヤホンではあるが、ロックやメタルといった激しいジャンルに対しての適性は野太い高音域や荒々しさが良くマッチするように思う。
何よりも流行りから逆行するようなユニークな特性というだけで、他の似たり寄ったりな特性のイヤホンより魅力的ではある。
試聴環境
2024/02/10 ヤンネ氏オフ会にて試聴。
デフォルトイヤピおよびAET07M-、final typeEにそれぞれ換装して評価。
DAPはCayin N7およびAMPとしてCayin C9を使用。
貴重な試聴機会を提供頂きましたヤンネ氏へ深く感謝申し上げます。
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